塗り替え工事について

塗り替え工事の価格が適正であるか?・・・とても気になるところです。素人なのでぼったくられているのでは?と心配になりますよね。
塗り替え工事を含めリフォーム関係の適正価格ってお会社によって異なりますが、工事価格の内訳は大まかな感じ、以下の様な内容になります。

  • 原材料費(塗料や塗装用具など全般)
  • 人件費(実際に工事をして頂く職人さんにお支払する費用)
  • 外注費(塗り替え工事を行う場合の足場工事費用など)
  • 工事経費(産廃処理費、現場管理費、近隣対策費など)
  • 営業利益(施工会社を運営するための費用)

これらをすべて含んだものがお見積の金額と思って頂いても間違いはないです。
最近では法定福利費(消費税の課税対象になる工事)も計上される傾向にあります。

法定福利費について(国土交通省)

結果として塗り替え工事を請け負う会社によってお見積金額に差が出ることは仕方のない事だと思います。
材料を大量仕入れできる会社ですと材料単価は抑えることができますし、職人さんに支払う人件費も各会社で異なります。
また、近年では塗り替え工事も価格競争が激しくなりびっくりするような広告も散見されます。
「外壁塗装¥298,000から」・・・でも小さく足場代金その他別途などと視覚効果を狙った物もあり、実際に見積もりを依頼すると宣伝の金額では収まらないといったこともあります。
適正価格かどうかを知る由はありませんが、概ねお見積金額の5割(人件費)、1.5割(材料や副資材)、1.5割(足場工事費用)、2割(営業利益)といったところでしょうか。
お見積の時点では解らないことですが、実際の工事を見て人件費を20,000円で割った数字前後の職人さんが現場作業されたかどうかが大まかな目安になると思います。(経験上)

例)工事価格1,100,000(税込み)×0.5(人件費)÷20,000=27.5(人)
お見積の段階で「この工事は総数で何人くらいの職人さんが来られますか?」って聞かれると大まかな参考になり面白いかもしれません。
営業職さんでしたら即答できないかもしれませんが・・・

塗料には多くの種類が市場に出回っております。
実際に区分することは専門業者でも難しいオリジナルブランド的なものも存在します。
ざっくりと分類しますと、一般的によく用いられる塗料の種類は以下の通りです。

近年、外壁や屋根にはあまり使用されなくなりました。安価で柔軟性、耐薬品性に優れていますが、耐候性は低めです。防水工事には現在でも頻繁に使用されます。

現在主流の塗料がシリコン塗料です。耐汚染性があり光沢保持に優れています。
材料単価も比較的リーズナブルでコストパフォーマンスに優れた塗料です。

2012年ころに登場したラジカル制御に着目した色あせに強い新しい塗料です。
耐候性はフッソに迫るものがありますが、価格はシリコン塗料より少し高めとリーズナブルな高性能塗料です。

耐久性、耐熱性、耐汚染性に優れた塗料です。耐久年数もシリコンペイントの約1.5~2倍になります。近年では価格も少し抑えられた商品も販売されていますが、高性能な塗料のため価格はシリコンペイントの約2.5倍前後となります。

主な塗料のご説明になりますが、この他にも高性能な無機塗料などがあります。
また付加機能を持たせた塗料(遮熱・断熱、光触媒など)も多く市販されています。

結論から申しますとウレタンペイントをフッソペイントに変更する場合、材料価格は大きく変わります。しかし、一般的な戸建住宅ですと使用する塗料の缶数も少ないため工事価格への影響は驚くほどではないと思います。施工前にご相談頂きお好みの塗料をご検討頂ければと思います。

※塗り回数や工法が変わると大きな価格差が生じる場合があります。詳しくはお問合せ下さい。

塗り替え工事をご検討頂く場合、一番に気になることが工事金額ではないでしょうか?
工事価格とはお客様に提出させて頂くお見積金額とお考え下さい。
工事のお見積と実予算の違い、仕組みについて少しお話しさせて頂きます。
塗り替えの適正価格の部分でも軽くご説明させて頂いたのですが、工事の良し悪しは、工事の実行予算の確保だと思います。
この工事にどれだけの費用を使って仕上げることができるかということです。
充分な実行予算が確保されておれば職人さんも細かな部分まで注意深く施工が可能ですが、限られた予算ではかなり厳しい状況になります。

塗装工事のポイントとして

  • 塗料の使用量、希釈率
  • 塗料の塗回数
  • 塗料の乾燥時間の確保(意外と重要)

「お金は気にせずに、しっかりと工事を仕上げることが職人の使命」みたいな事をおっしゃられる元請の偉いさんもおられますが、職人さんも生活を抱えて毎現場、赤字では生活もままなりません。
良い職人さんでも、無意識のうちに工事完了を急いでしまうことで品質の低下につながる可能性があります。
この工事予算の減少を招いている原因は、職人さんに営業力がないために大手リフォーム会社やハウスメーカーの下請けになって仕事を頂いているからです。
下請にも1次下請け、2次下請けなど下に行けば行くほど工事予算が減少します。
例えば「工事価格¥2,200,000(税込み)」と聞けば戸建て住宅の塗り替え費用としてはかなりお高い金額だと思います。
この\2,200,000(税込み)がお客様のお支払いになる工事価格と仮定します。
しかし、実行予算は異なります。お客様はお支払いになる工事価格に見合った仕上がりを望まれるはずです。(※元請会社の営業利益が発生することはご理解頂いた上で)
実際の工事の発注形態(下請に流す)によっては以下の様な実行予算に変化します。

工事価格     2,200,000-660,000(30%元請営業利益)=1,540,000(実行予算)
1次下請工事価格  1,540,000-308,000(20%下請営業利益)=1,232,000(実行予算)
2次下請工事価格  1,232,000-246,400(20%下請営業利益)=  985,600(実行予算)

下請に工事が渡されるたびに各社の営業利益が差し引かれて実行予算が少なくなります。
最終的な実行予算が985,600円で施工が可能であればお見積価格は1,232,000円で良いはずなんですが・・・

「信用がある会社だから・・・」自社施工しない大手のリフォーム会社のデメリットです。

大きな予算をお支払して大切なマイホームをメンテナンスするわけですからしっかりとしたあんしんが欲しいと思われることは当然の事です。
保証とは何でしょうか?
工事の不備や事故などで大切なマイホームの美観や性能を著しく損なうことが生じた場合、その補修工事に必要な費用を施工業者、または保険会社が賄う制度の事です。
もちろん、保証には免責事項というものがあり実際の工事に起因する異常以外は免責事項となります。ご契約時によく確認しておきましょう。

弊社の塗り替え工事に適用させて頂く保証は以下の通りです。

自社保証当社が行った工事に対して弊社が品質保証いたします。
賠償責任保険工事中の事故や破損に対して保証いたします。(保証会社加入)
リフォーム瑕疵(かし)保険リフォームを行った個所に不具合が生じた場合、国土交通大臣指定の保険機関に登録、個別に保険加入する事で保証を得られます。

新築工事は瑕疵担保保険という保証制度があります。
近年、新たにリフォーム工事に対しても保証可能な制度として注目されています。
保証期間については短めなのが難点ですが、国土交通大臣指定の保険機関(5社)が運営する保証制度で、現状では一番あんしんな制度と言ってもいいでしょう。
(今後、保証期間の長いものが発売されれば弊社も適用したいと思っております。)
賠償責任保険には工事中の事故による第三者の怪我、ご近隣の車を汚したなど工事中における損害を補償する制度です。もしものために弊社も加入しています。
もちろん自社施工なので工事の品質や事故、破損については自社責任で保証することが当然ではあります。弊社は自信をもって工事をお受けしますのでしっかりと自社保証もさせて頂きます。
加えて外部の保証機関を利用することで、工事以外の不安を解消し、お客様もあんしんして工事をご依頼頂けると思っております。

国土交通省HP

塗装歴30年の私が最近の塗装屋さんを見て、昔と変わったなぁという部分をいくつかご紹介したいと思います。

私が塗装業界に足を踏み入れた時は、厳つい職人さんが多くコツク、怒鳴るは当たり前でした。現場での長話や喫煙なども当たり前の時代だったと思います。
しかし最近の職人さんはお客様や元請様、ご近所様に対して礼儀正しい態度で対応する事がしっかり出来ていると思います。・・・例外もいるかなぁ?

リフォーム工事はお客様ご在宅のまま工事をさせていただく事がほとんどです。
お客様の生活にご迷惑をかけない、働く者の体調を考えるといった面からも朝9時から夕方5時までが標準的な作業時間です。
過去にはお客様の都合を度外視して、元請事情、施工業者の都合で非常識な時間帯での作業もよくあったように思います。
新築もリフォームも区別がなかったような気がします。

確定申告やインボイス登録、各種保険の加入など、小さいながらに企業としての自覚があり、企業義務をしっかり果たしている業者が多くなったような気がします。
昔の職人さんの悪口ではないですが、過去はかなりずさんな状況ではありました。

私が特に感じることが「下請専業に甘えず各社、営業展開をしている。」という項目です。前項でお話しさせて頂きました「工事原価(実行予算)についての話」に関する内容になります。
私どもも含めこれまで個別営業はせずに下請業を主に営業させて頂いておりました。
下請業は元請様に嫌われない様にしてさえいれば安定的な工事受注は可能でした。
しかし、大手企業様の下請業では、相次ぐ資材の高騰、見積り単価の値下げや協力値引きなどで実行予算や営業利益の確保が難しい状況になってきました。
常々考えてきた事は、「客様に直接お付き合いをしたい」という願いでした。
重複する営業利益を省くことで工事価格を抑え実行予算、営業利益を確保し健全な工事品質を確保し事業展開できるからです。最近、小さな塗装屋さんの看板やチラシをよく見かけます。ネット環境も普及して多角的に営業活動をされているようです。中にはフランチャイズ化して事業展開された業者さんもおられます。
昔は出来なかった営業ですが、慣れない状況で必死に活動されております。
私は商売は人と人の繋がりだと思います。信頼関係のもとしっかりとした塗り替え工事ができる環境を築き上げて行きたいと思います。

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